ガラスレンズ。
視力矯正の初期には、すべての眼鏡レンズはガラスでできていました。
ガラスレンズの主な素材は光学ガラスです。樹脂レンズよりも屈折率が高いため、同じ度数でもガラスレンズの方が樹脂レンズよりも薄くなります。ガラスレンズの屈折率は1.523、1.60、1.70、1.80、1.90です。ガラスレンズは、良好な透過率と機械化学的特性、つまり一定の屈折率と安定した物理的および化学的特性を備えています。
ガラスレンズは優れた光学性能を備えていますが、重くて壊れやすいため、目に重大な損傷を与えたり、場合によっては失明する可能性もあります。これらの理由により、ガラスレンズは眼鏡に広く使用されなくなりました。

プラスチックレンズ。
●1.50 CR-39
1947 年、カリフォルニアの Armorlite Lens Company は、最初の軽量プラスチック眼鏡レンズを導入しました。レンズは CR-39 と呼ばれるプラスチック ポリマーでできていました。CR-39 は「コロンビア樹脂 39」の略語で、これは 1940 年代初頭に PPG Industries によって開発された熱硬化プラスチックの 39 番目の配合物だったためです。
CR-39 プラスチックは、その軽量 (ガラスの約半分の重さ)、低コスト、優れた光学品質により、今日でも眼鏡レンズの材料として人気があります。
●1.56 NK-55
高屈折率レンズの中で最も手頃な価格で、CR39 と比較して非常に丈夫です。この素材は 1.5 よりも約 15% 薄く、20% 軽いため、より薄いレンズを必要とする患者にとって経済的な選択肢となります。NK-55 のアッベ値は 42 で、-2.50 ～ +2.50 ジオプターの処方に適しています。
●高屈折率プラスチックレンズ
過去 20 年間、より薄く、より軽い眼鏡の需要に応えて、多くのレンズ メーカーが高屈折率プラスチック レンズを導入してきました。これらのレンズは、屈折率が高く、比重も低いため、CR-39 プラスチック レンズよりも薄くて軽いです。
MR™シリーズは、日本の三井化学が設計した高屈折率、高アッベ値、低比重、高耐衝撃性を備えた高級光学レンズです。
MR™ シリーズは特に眼科用レンズに適しており、最初のチオウレタンベースの高屈折率レンズ素材として知られています。MR™シリーズは、光学レンズユーザーに最適なソリューションを提供するために、さまざまな製品を提供しています。
RI 1.60: MR-8
RI 1.60 レンズ素材市場で最大のシェアを誇る、最もバランスのとれた高屈折率レンズ素材。MR-8はあらゆる強度の眼科レンズに適しており、眼科レンズ素材の新しい標準です。
RI 1.67: MR-7
世界標準のRI1.67レンズ素材。強い耐衝撃性を備えた薄いレンズに最適な素材。MR-7 はより優れた色調能力を備えています。
RI 1.74: MR-174
超薄型レンズ用の超高屈折率レンズ素材。度の強いレンズを着用している人は、厚くて重いレンズを着用する必要がなくなります。

ポリカーボネートレンズ。
ポリカーボネートは 1970 年代に航空宇宙用途向けに開発され、現在は宇宙飛行士のヘルメットのバイザーやスペースシャトルのフロントガラスに使用されています。ポリカーボネート製の眼鏡レンズは、軽量で衝撃に強いレンズの需要に応え、1980年代初頭に登場しました。
それ以来、ポリカーボネート レンズは安全メガネ、スポーツ ゴーグル、子供用メガネの標準となっています。ポリカーボネートレンズは、通常のプラスチックレンズよりも破損する可能性が低いため、レンズがドリルマウントでフレームコンポーネントに取り付けられるリムレスアイウェアのデザインにも適しています。
他のほとんどのプラスチック レンズは、液体プラスチック材料をレンズの形で長時間焼成し、液体プラスチックを固化させてレンズを作成する注型成形プロセスで作られています。しかし、ポリカーボネートは熱可塑性プラスチックであり、最初は小さなペレットの形の固体材料です。射出成形と呼ばれるレンズ製造プロセスでは、ペレットが溶けるまで加熱されます。次に、液体ポリカーボネートがレンズ金型に急速に注入され、高圧下で圧縮され、冷却されて、数分以内に完成したレンズ製品が形成されます。

トライベックスレンズ。
多くの利点があるにもかかわらず、ポリカーボネートは安全用途や子供用メガネに適した唯一のレンズ素材ではありません。
2001 年、PPG Industries (ペンシルベニア州ピッツバーグ) は、Trivex と呼ばれる競合レンズ素材を導入しました。ポリカーボネート レンズと同様、Trivex 製のレンズは薄くて軽量で、通常のプラスチックやガラスのレンズよりもはるかに耐衝撃性に優れています。
しかし、Trivex レンズはウレタンベースのモノマーで構成されており、通常のプラスチック レンズの製造方法と同様の注型成形プロセスで製造されます。PPG によると、これにより Trivex レンズは射出成型ポリカーボネートレンズよりも鮮明な光学系という利点が得られます。